未来もワイヤード

日本建築学 / 建築雑誌2009年1月号
ドボク・サミット実行委員会 編 / ドボク・サミット


工場や土木施設など、エンジニアリングが卓越する景観、「新景観」特集が組まれたので買ってみた。もちろん「建築雑誌」は初めて購入。


目玉は石川初氏と五十嵐太郎氏よる庵野秀明監督へのインタビュー。これが予想以上に興奮した。
コンクリートや鉄の塊、人工構造物を愛する庵野監督は、機能がむき出しな電柱が大好きだそうだ。電柱は景観問題ではまず槍玉にあがり、一般的には厄介者。しかし庵野監督にはこう見える。


「行政も民間も個人も片っ端から身勝手につくっていった日本の街には、電柱がお似合い」
「一戸一戸が非常に無個性で、街になると味気なくてつまらない」
「そのつまらなさをなんとかしていたのが電柱や電線」


エヴァンゲリオンでのアンビリカルケーブルは、実に衝撃的な設定だった。僕の中では、エヴァアンビリカルケーブルとなっている。この設定の裏話や解釈、意味付けは色々と語られているが、有線で動く巨大構造物が生み出された背景はこれかと*1、思わず膝を打つインタビューだった。

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佐藤淳一氏の「ドボク・エンタテイメント・インヴェンジョン」が、「建築雑誌」という媒体に掲載しているのは、刺激的な投げかけで、異彩を放っている。今まで想定していなかった見る側からの表象行為を、主たる読者である建築や土木の作り手たちは、どう感じただろうか。「使い手」と「作り手」の関係は、結構微妙だよな。


新景観へのムーブメント?は、「ドボク・サミット」がお勧め。何が起こっているか、すべてわかる*2。また開催しないかな、ドボク・サミット。思い出すと、にやけてしまうよ。

*1:やや飛躍、やや勘違い

*2:余計にわからなくなるかも