早く知りたい

相変わらず地理院関連のお話。


日本国際地図学会平成21年度定期大会のエントリが上がっている。

国がどのような骨格データを整備するのか、それによって民間での二次利用の在り方も異なってくる。関連産業の活性化のためにも非常に重要な問題であろう。
地図学会定期大会 - ちずらぼのちずらぶ

業として地図に関わる我々にとってはあまりに重要。仕込みの関係上、半年から1年先程度の見通しは立てたい。結構困っています。

基本図体系の変化については、知りうる情報に乏しい。電子国土基本図と従来の地形図が、同じものだと思っている人も多い。紙の地形図がWeb供覧になるだけでしょ、とか。そもそも電子国土基本図自体があまり知られていない*1

すでに「電子国土基本図(地図情報)修正測量業務」として発注されており、プリミティブなレベルでの仕様は確定しているはず。取得項目や取得基準、整備範囲の精度等の情報は、もう公表できると思うけど。リリース日とまで行かなくても、リリース時期ぐらい発表して欲しく思う*2

地理空間情報活用推進基本法の施行で測位とGISの連携が歌われている以上、真位置データが重要視されるのは当然のことで、その意味では基盤地図情報電子国土基本図の必要性は理解できる。
その一方で、紙地図をはじめとした転位・総描により空間表現された成果の需要もまだ大きい以上それを放棄するわけにはいかない。
測位か編集か。このあたりの落とし所は非常に難しい。

思い切って国と民間の役割分担はあってもいいと思うが。とすれば、その枠組みの中で必要なデータ項目や属性を共有化することも重要だと思う。

すべての機関は、常に予算不足とリソース不足にもがいている。id:hfuさんも拙エントリのブクマで述べられていたが、仕組みつくりで解決出来ないかな、リソースの共有。悪くないアイディア。

転位・総描はいつでも問題。科学的な根拠に基づいているとはいえ、相当に恣意的。よって手間もかかる(=お金がかかる)。最後は絵作りになるので、すべて自動化で解決できる訳でもない。民間も含めて研究は行われているようだが、民間地図と基本図では、話がやや違うと思う。まあ、真位置データに転位・総描パラメータを持たせるなら別だけど*3

ん、転位・総描パラメータが、異なる精度レベルそのものになるのかな?位相がキチンとれていれば、そう破綻はしまい。地物はインスタンス
しかしこれは理想論だな…


*1:世に出てないから、仕方ありませんけどね

*2:この手の情報は、いつも裏から伝わってくるw

*3:これはこれで、手間がかかる