新しい基本図を模造した

国土地理院の基本図体系が大きく変わる。


基盤地図情報」が位置の基準。これをベースに「電子国土基本図(地図情報)」と「電子国土基本図(オルソ画像)」の二本立てで基本図を構成するそうだ。


電子国土基本図(地図情報)」の取得項目を検討したところ、現行の地形図から欠落する情報があるらしい。『地図中心6月号』に具体的な記述があったのは郵便局と送電線、そして植生界。

郵便局や送電線については、事業主体から情報を得る。国土地理院としては整備しない方針。総描や転移の操作が無くなり、真位置データだからこそ可能になったとのこと。確かに電力会社では送電線を管理するGISが動いている。

植生区分は、植生記号とオルソ画像を表示させて情報を得る。範囲はオルソ画像の判読により、今より新鮮な情報で確認できるという。ユーザに写真判読させるという発想の転換。うーん。


どんなものかと『地図中心6月号』の表紙を参考に、新しい基本図を模造してみてた。

ただし、当面は継続するが更新頻度は落ちる*1「2万5千分の1地形図」*2をベースにした。基盤地図情報は、都市計画区域外は25000レベル*3で整備する。となると、そんなに大ハズレでもないでしょう(本物は研究中)。

国土地理院の地図画像25000と、Google Maps衛星写真をキャプチャさせてもらった。ありがとうございます。地域は千葉県木更津市の郊外。日本中どこでもある典型的な土地利用。


現行の地形図。見慣れた絵柄。


電子国土基本図(地図情報)」+「電子国土基本図(オルソ画像)」の模造。地図やGISを業にしている人には見慣れた絵。色のセンスは気にしないでw


建物などがうるさいので、植生と植生範囲に関するものだけを表示。どうだろう、判読可能か。

結構いい感じ。画像解像度や撮影縮尺、撮影時期も絡むので、これだけでは何とも言えないが、判断に迷うところはある。


植生界の取得は、個人差が多く出る曖昧さがある。「国土地理院」という機関が基準を提示してくれるおかげで、一般ユーザにも使える情報となっている。基本図から消えると、植生界という観念も消え去りそうだ。

結局、植生範囲をポリゴンとして、デジタルデータで取得された地形図はできなかった。無念でならない。膨大な手間が掛かる割には、利用者が少なそうだからね。ん、そんなポリゴンデータを自前で作るときは、写真判読しないといけないのか。これは大変だ。

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改めて思うのは、「2万5千分の1地形図」は土地の概況を良く掴み、包括的に上手く描かれているなあと。オルソ画像と重ねるとよく分かる。「絵図」なんて揶揄されるときもあるけど…

*1:現実、今年度は更新作業していない

*2:「2万5千分の1地形図」では、従来通りに取得

*3:5000レベルの地域もある模様